産業医の特徴 業種別 TYPE

診療領域や技能別にみる
  1. TYPE

    運送・倉庫

    私たちの生活に密接し、なくてはならない運送・倉庫業。
    激務も多く、労災の発生率が高い業種の一つと言えます。
    ドライバーの事故などは大きな問題に発展することも多く、安全な働く場つくりが必要です。安全な職場づくり、及び快適な職場環境づくりはこれからの物流における課題といえます。
    運送でよくある疾病には脳疾患、心臓疾患、睡眠不足、眼疾患、過労死などがあげられ、これらの疾病はドライバーの命に関わる大事故を起こす可能性があります。長時間の狭い空間での運転、業務が少人数での対応、人手不足による過労の為、血流障害になる、生活習慣や食生活が乱れやすくなる、慢性的な睡眠不足となりやすい業種です。またドライバーの高齢化による車両の操作の誤り、激務のため嫌厭されやすく若い人材が確保しにくいもの特徴です。食生活、生活習慣は第三者の目が届きにくく、健康についての助言を得られず肥満や運動不足、飲酒、喫煙の習慣の改善が困難です。
    倉庫作業においては転倒、高所からの落下、貨物の倒壊による骨折、ケガ、フォークリフトの操作ミスによる衝突、接触事故、貨物の荷下ろし等での挟まり、巻き込まれ事故、貨物の過重量、無理な動作による腰痛等があります。また、倉庫作業は24時間稼働している業務もあり生活リズムが乱れがちです。
    大きな事故は起きにくい業種ですが、ヒヤリハットが多く小さなトラブルが積み重なり大きな事故に繋がります。作業は慣れている高齢の作業員程ヒヤリハットが少ない傾向があります。
    早朝から深夜まで作業をしていると生活リズムの乱れにより、鬱等も発症しやすくなります。
    普段の業務の見直し、事故防止による対策が重要といえます。

  2. TYPE

    建築

    建設業の作業場では、重機や機械による転落、重量物の落下など、労災が発生した場合大事故につながる可能性が高い業種です。
    騒音や有害物質などの身体的リスクやメンタル不調など健康面に不安を抱える従業員も多く安全な現場作りは必須です。
    建設業でよくある傷病とは作業中の転倒、高所からの落下による骨折、作業中の創傷、関節障害、打撲、火傷等があります。脳疾患、虚血性心疾患、熱中症、精神障害、聴覚障害も建設業ではよくある疾病です。
    作業場が高所であることから落下事故が起きると死に繋がる可能性が高い業種です。また、騒音や振動が多くある環境の為、聴力低下に伴う呼吸器、循環器の機能への悪影響、振動による睡眠障害、胃腸障害、内臓下垂、脊柱の異常、局所振動障害としては末梢神経障害、骨関節障害を発症します。粉じんの吸引による呼吸器障害、屋外作業による熱中症もあるため普段の作業環境の整備及び健康チェック、自身で作業中のちょっとした体調の変化に気づく事が欠かせません。作業に集中していて体調の変化に気が付かず、大変な状態に陥ることも少なくはありません。
    建設業は上記のように作業環境を整える事も大きな課題ですが、技術者の高齢化、引退と若手の技術者不足もあり、全産業と比較して労働時間が長く、健康を損ないやすい業界です。
    作業場の安全性、作業環境だけではなく健康の自己管理も重要な業界です。

  3. TYPE

    省庁

    とにかく忙しい方が多いため、残業時間が民間に比べて長く、メンタル不調での休職者が多くいらっしゃいます。
    身体も心もしっかりと一次予防を心がけて頂き休職まで至らないような体制作りが必要です。
    また、情報機器作業に伴う腰痛、肩こりも問題になっております。
    産業医面談を活用することでメンタル不調の予防や早期発見につながり、安心して働ける労働環境作りのサポートをいたします。
    月の残業時間が150時間以上と通常の労働時間からかけ離れており、ベテランの職員でも体調を崩し休職や退職を余儀なくされています。若い職員は多忙からワークライフバランスがうまく取れず、精神的に追い詰められた結果退職に至っています。日々の残業の多さで、健康面、メンタルとも不調を訴える人が多くいます。退職者、少子化も伴い、入省者も少なく、在職の職員に更に仕事の負担がかかります。今後の働き方としてIT化の向上、テレワーク、アウトソーシング、職場での健康管理等対策をとる必要があります。業務の方法の見直し等に加え、睡眠時間の確保、日々のプライベートの時間を作ることが大切です。

  4. TYPE

    学校

    子供の対応だけでなく、保護者からのクレーム対応に始まり、ICT教育クラブ活動など
    業務量の多さ・人間関係の問題で近年急速にメンタル不調による休職者が増えています。
    学校医と産業医の区別がついていな学校も多数あります。
    子供たちの成長を見守り、教育する先生の健やかなメンタルはとても大切です。
    産業医はメンタル不調の早期発見により、途中で先生が休職するリスクを軽減するサポートをいたします。
    教師がなりやすい疾病は精神疾患、がんです。
    教職の現状は上記の子供、保護者の対応、クラブ活動、業務量の多さに加え、休日出勤で休みが極端に少ない、上司、同僚教師の協力体制や支援がなく相談もできず孤独な状態です。
    また、年度の初めや学期といった節目による変化もストレスの原因になります。
    協力体制が整わず、ストレスの多い仕事のため、うつ、適応障害といった精神疾患、ストレスから免疫が下がりがんになる教師が多いです。
    若い頃から教職を目指し勉強してきた新卒の教師は自分の理想と現実の教職との差に悩み、燃え尽き症候群となってしまいます。そのため、精神疾患になった教師の半分はそのまま離職してしまうケースが後を絶ちません。

  5. TYPE

    製造業

    製造業といっても取り扱う商品は千差万別、さまざまな機械を使用する工場がたくさんあります。機械の使用は安全が何より大切。安全に働くことができるような職場環境作りを産業医が一緒に考えます。環境作りだけではなく従業員一人一人の安全教育も大切です。しっかりと安全な場を作ると労働者の生産性が向上します。
    製造業は頭痛、めまい、肩こり、腰痛、眼精疲労、アレルギー症状、うつになりやすい職業です。
    同じ作業の繰り返しのため強いストレスになり、うつを発症します。めまい、肩こり、腰痛は長時間の目の酷使や同じ姿勢での作業でなりやすく、腰痛は重労働によるもの、作業の間の姿勢や動きによるものが原因です。

    製造業は騒音、振動、悪臭、高低温が伴う場合もあり、作業環境の改善をするか対策をするかが必要です。製造しているものによっては昼夜問わず製造をしてるため、生活や睡眠時間が逆転しており、十分な休息や睡眠がとれず体調を崩している作業員もいます。アレルギーを発症しやすい原材料を使用している場合もあるため、対策をとる他、医療機関や産業医に正しい診断を仰ぐことがおすすめです。

  6. TYPE

    IT

    みなし残業制、裁量労働制で働く従業員が多く、長時間に及ぶ作業によりメンタル不調者が多い業種の1つと言われています。
    また、長時間の座り姿勢で腰痛や肩こりなども問題となっています。
    産業医はメンタル不調者の早期発見・対応を行い、従業員が心身共に健康で働けるようにサポートいたします。
    エンジニアは腰痛、胃腸炎、うつ、脳梗塞、VDT症候群になりやすいです。
    長時間座って画面を見続け、タイピングする業務が多いため、腰痛、肩こりになりやすく、目の疲労からの体全体の痛みや精神疾患を併発する場合があります(VDT症候群)。
    仕事の内容が複雑かつ多岐に渡るため、高い技術力と集中力が必要です。プロジェクトのスケジュールがタイトだったり、プレッシャーもあり、うつ、脳疲労、脳梗塞になりやすい職業です。
    また、現在はリモートや在宅での業務体制が増え、一人で仕事をこなすケースが多く他者とのかかわり、コミュニケーションが希薄です。一人で問題を抱え悩んでしまう事も少なくありません。外出もしなくなるため、ストレスを軽減する太陽光に当たらなくなる、運動不足による肥満等ストレスを抱えやすくなります。

  7. TYPE

    介護・福祉

    重労働のお仕事もあり腰の痛み・膝の痛みなどの身体の不調、利用者さんからの暴言やいじめ、人手不足での過重労働など大変厳しい労働環境です。
    昨今では、感染リスクへの対応でさらに負担が大きくなっています。
    産業医は感染防止策の提案や見直し、従業員の労働環境をサポートいたします。
    介護・福祉でなりやすい症状はうつ、腰痛、背中の痛みです。
    介護・福祉の仕事は主に体を使う業務が多く、施設利用者の体を支えたり、前かがみになる等腰痛の原因になる動作があります。腰痛がひどくなると背中にも痛みが広がるようになります。
    体力が必要な職業ですが、利用者の対応や人手不足による日々の業務の多さ、労働時間が長い事から体力の回復が困難です。
    ワークライフバランスや働き方改革を相談できるような産業医、産業カウンセラーを検討する事をお勧め致します。

  8. TYPE

    飲食店(居酒屋系)

    深夜の仕事、クレーマー
    飲食業界でなりやすい疾病等は腱鞘炎、椎間板ヘルニア、糖尿病、下肢動脈瘤、うつ、腰痛、火傷、切傷、手荒れです。
    厨房での仕事は調理器具や火器、洗い場を使用しているため、ケガや火傷が多くなります。また水をよく使用するため手荒れもなりやすいです。
    ホールでの仕事はいくつも積み重なった食器等を持ち運ぶため腱鞘炎になりやすく、業務指導の厳しさや接客でのクレーム等で鬱になる場合もあります。
    厨房、ホールで共通してなりやすいものとして腰痛、椎間板ヘルニア、糖尿病、うつです。
    飲食業界は立ち仕事、長時間労働、人手不足のため休日出勤で休みがとりにくく、体の疲労や変調をきたします。特に長時間の立ち仕事については下肢動脈瘤の原因となります。
    働き方がシビアなので慢性的な睡眠不足、休息時間の不足により疲労が取れません。生活の乱れ、賄い支給などの食生活の乱れから糖尿病を引き起こすこともあります。
    日々の厳しい労働で体調、メンタルともに弱り、うつになります。

  9. TYPE

    漁業

    乗船する職業に共通するか?

    乗船が伴う職業は外の天候に左右されやすい環境です。
    なりやすい疾病として熱中症、低体温症、難聴、がん、他腰痛、職業性喘息、中毒(窒息を伴う)、骨折、筋骨格障害、切傷となります。
    主に外での業務となるため、季節による気温で熱中症や低体温症になる場合があり、難聴は作業中の機械音による騒音が原因です。
    がんは胃がんの率が高く汚染された魚を食べることが起因しているといわれます。腰痛、骨折、切傷は作業中の道具、漁網の取り扱いの誤りや足場が悪く転倒する事によりますが、大事故や死亡事故につながるので普段の作業の改善や作業場の点検で防ぐようにしましょう。
    職業性喘息、中毒はあまりない事例ですが、カニやエビといった甲殻類を取り扱い粉じんを吸い込む事で症状が起き、中毒は有機物の嫌気性腐敗により窒息も引き起こす場合があります。
    乗船が長期になると軽い感染症と思っていたものがよりひどい症状になる場合もあるので下船のタイミングでしっかり医療機関で完治するか、まずは産業医へ相談するのも1つの手といえます。

  10. TYPE

    解体業

    粉じん

    なりやすい病気は肺がん、石綿肺、悪性中皮腫です。他転落による外傷、骨折などもあります。
    これらの疾病の原因は様々ありますが、特に解体業では古い建築物で使われているアスベスト(石綿)が原因といわれています。
    建築物を解体する際に使用されていたアスベストの粉じんが飛散すると空気中に舞い、空気を吸い込むタイミングで一緒に肺へ送られます。
    アスベストは一度吸い込むと肺胞に刺さり、滞留するのが特徴です。身体の免疫システムが針を排除するために異常な反応を起こします。
    また重機の操作ミスや足場の崩落で転落による骨折や外傷が起こります。
    産業医と現場、医療の観点から相談されることをお勧め致します。疾病、事故の発生を防ぐ方法を提案いたします。

  11. TYPE

    マスコミ

    マスコミ業界でなりやすい病気はうつ、自律神経失調症、胃腸障害です。
    拘束時間が長く、不規則な勤務時間になるため常々過労です。ほぼ24時間勤務が当たり前のようになっています。
    働き方改革は進めていますが、一部の人のみとなり、そのしわ寄せは他の人が負担を強いられます。
    業務の形態からも休日なしや時間に追われる職業です。慢性的な睡眠不足、脳疲労が伴いめまい、頭痛、自律神経失調症、胃腸障害等になりやすいです。

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